2010年夏に帰国した際、実家は自分がとても快適に住める状況ではなかった。今でも信じがたいが父は私がこの実家で生活できるように、という配慮を皆目しておらず、まず生活できるだけの物理的スペースがなかった。帰国時の混乱を乗り切るためにネットブックを1台購入し、さらにデータを運ぶためにHDDも持ち帰っていたが、自分の心づもりとしては帰国後すぐデスクトップPCを購入し、そちらをメインに使用するように切り替えるつもりだった。
しかし、なにせスペースがないためどんどんとそれは後回しになった。私がメンテを始めた父の2台のPCも最終的にはハードウェアの故障で使えなくなった。代わりに彼のために購入したデスクトップPCもわずか三ヶ月程度でHDDが故障。私のネットブックも内蔵HDDの不具合かWindows 7は立ち上がらなくなってしまった。念願だった自分のデスクトップPCも帰国後3年ほどだかたってからやっと購入したが、これも1年も経たずHDDが故障。修理を経て一応父のデスクトップPCと私のは今のところ正常に動作している。
この間、時間に迫られ、とりあえず、とりあえず、とその場限りの措置ばかりを連発せざるをえなかったので、これらPC上のファイルはとても整理されてるとはいえない状態。そもそも、アメリカから持ち帰ったカーバイブなりパーティション・イメージなりを一度も展開したことがない。リフォームも一段落したのでファイル関係を整理したい。
現在我が家にあるHDDは、内蔵・外付けを合わせて以下のとおり(地デジ録画用のは省く):
- 父のLenovo PC 内蔵HDD500GB (うち160GBを自分用に使える)/ 外付けバッファローUSB 2.0 HDD 500GB
- 自分のMouse PC 内蔵HDD 2TB / 外付けHDD (USB 3.0) 3TB
- バッファローWZR-HP-AG300H につける予定の外付けHDD (USB 2.0) 2TB
- 自分のネットブック 内蔵HDD 250GB?
一般論としてデータの種類には以下が考えられる。なお、データ受け渡しのハブとして、NASやクラウド・ストレージの使用が望ましい場合があるが、これらを「オンライン・ストレージ」とひっくるめて表現することにする。
- 比較的頻繁に使い、アップデートするもの。複数デバイスで使えるようにする必要があることが多い。そのまま使えることが要件なので、圧縮、アーカイブなどしない。自分の例では、仕事関係、ツール(e.g., Emacs)の設定、など。 →複数デバイスに同期すること自体がバックアップの目的も果たす。デバイス間で直接同期を取ろうとすると双方とも立ち上がっている必要があり煩わしいため、代わりにオンライン・ストレージをハブとして、各デバイスがそれに対して同期するようにするのが運用上はやりやすい上、さらに冗長性が増えることにも寄与する。このオンライン・ストレージはLAN上のNASでもよいが、クラウド・ストレージであれば対障害性が高まると期待できる。
- 一応編集できるよう展開された状態にはしておきたいもの、ほとんど変更する予定のないもの。自分の場合だとアート関係のデータがそれにあたる。 →複数デバイスで使えるようにする必要はない。バックアップは、通常のインクリメンタルバックアップでよい。もちろんいつか気が変わって頻繁に編集するようになれば、最初のグループと同じ扱いに変えればよい。
- ファイルが増えることがあっても、それぞれに対する変更は基本起こらないもの。メディア・ライブラリ、各種アプリのインストーラ、電子辞書データ、ポータブル・アプリなど。 →これらは基本オンライン・ストレージに集約させ、オフラインでも使える必要があるデバイスでは必要なだけ「持ち出す」ようにする。自動的に同期するのがよい場合も、手動で十分な場合もあろう。レスポンスの観点から、この「オンライン・ストレージ」はLAN内のNASにするのが望ましいことがある。メディア・ライブラリの場合は特にそうで(特に動画)、NASにDLNA/UPnPサーバ機能があればなおのことそう。クラウド・ストレージへのバックアップはアーカイブで十分なものだが、それ用のアプリでメディアの直接再生をサポートしていることが最近は多いので、それを活用するのであれば圧縮やアーカイブせずそのまま保存する。実質同期することになる。
- システム全体。→パーティションのイメージとして保存。ただし、光学メディアにも保存することを前提に適切なサイズに分割する。HDDに余裕があればパーティションのクローニングも。
クラウド・ストレージとしては、容量無制限のPogoplug Cloudを使うことを既に決定しているので、それを前提に方策を組み立てていく(以下、「クラウド・ストレージ」といったときには具体的にはPogoplug Cloudを指す)。その上で、同期、アーカイブ、パーティションのバックアップ、のそれぞれについてツールを用意しないといけない。
まずは同期。同期ツールにはいろいろあるが、自分にとって大事なのは版管理ができること。誤ってファイルを消してそれが伝搬してしまったら、版管理機構がないと、目も当てられない事態になりかねない。 残念なことにPogoplug Cloud自身に版管理機能がない。これは昨今のクラウド・ストレージ・サービスの中ではむしろ珍しい。PogoplugのWindows用クライアントソフトには同期機能があるが、これをそのまま使うと古い版は残されない。 さて、オンライン・ストレージをネットワークドライブとしてマップできるとローカルファイルと同様に扱えるようになるので使い勝手が格段に良くなる。実際PogoplugのWindows用クライアントソフトは以前その機能を持っていたのだが、新しい版ではなぜかその機能は削られた。幸いそれに関するユーザー・フォーラムのスレッドで古い版が入手できたので、汎用の同期アプリを利用して同期ができる。 当然ながら版管理(世代管理)ができる、というのが要件になるのと、実際どれくらい使うかわからないが、WindowsだけでなくLinuxでも使えることも要件としよう。ネットワーク越しであればUnisonのようなrsyncプロトコルを利用したものを使うのがよいのであろうが、Pogoplug Cloud自身はrsyncプロトコル機能を提供しているわけではない。結局、(Windowsでは)ネットワーク・ドライブとしてマップした状態で、ローカル・ディスクとの同期となるので、rsyncプロトコルの恩恵は受けられない(…よね?)。それならば単純にFreeFileSyncにしようか。
同期のスピードが問題になるようであれば、同期のハブはNASとし、その内容をPogoplug Cloudに同期なりアーカイブなりすればよいか。
アーカイバーは、これまたたくさんあるが、バックエンドの豊富さと活発に開発されているようだということでduplicatiに興味がある。機能の豊富さからするとdarかもしれない。アーカイブを分割することもでき、光学メディアに保存するときには重要。だが、結局めんどくさくて同期ツールで済ませそうな…。
パーティション・バックアップツールは以前はLinuxからpartimageを使用していが、最近はWindows用のフリーのツールがある。例えばAOMEI Backupper。光学メディアの容量に合わせて分割する機能があるのはありがたい。
以下の手順で進めていこう。
ローカルに使える作業用ないしバックアップ用NASの作成:
- USB 2.0 外付けHDDを空にして、 4パーティション全てXFSでフォーマットした上で(Windows用ツールではできないようであるのが面倒だが)、ルータ(バッファローWZR-HP-AG300H)に接続。これで簡易NASとして使えるようになる。以下「NAS」といったときにはこの簡易NASを指す。
- このルータはメディアサーバの機能もあるので、ここに既存メディアライブラリを移す。その他インストーラー等共有できるものも移す。
失うわけにいかないバックアップを更にバックアップ:
- 自分がアメリから持ち帰ったアーカイブおよびイメージを上記NASとクラウド・ストレージにコピー。
- これが終了した段階でMozyのアカウントを(ついに)キャンセル。
- 父の古いバックアップをクラウド・ストレージにバックアップ(大方これはなくなっても実害がないと想像されるが念のため)。
現状のシステムのバックアップ:
- 父のLenovo PCのシステムのバックアップ。
- 自分のMouse PCのシステムのバックアップ。その前に場当たり的に作ってしまったユーザファイル等の移動。
今まで分散してしまったファイルの準備:
- Asusネットブック内に壊れた状態で残されているWindows 7システムからデータを可能な限り吸い出す。
望ましい状況に持っていく:
- アメリカから持ち帰ったファイルを自分のデスクトップPC内に展開。
- 帰国後のそれに対する変更をマージする。
- 適切なバックアップが自動的になされるように設定する。
将来的に:
- メディアの整理
- 自分所有、父所有のCDをリップして(FLACで?)NASに保存する。
- 父が撮影した古い8mmビデオやアナログ写真をデジタル化してNASに保存する。
- 実は友人に預かったVaioノートPCがあって、元々Vistaが乗っていたところWindows 8をインストールしたところ、快調に動作していたが突如全く立ち上がらなくなってしまった。内蔵電池が切れたせいではないかと疑っているのだが、これの修理を試みる。
- バッファローのルータWZR-HP-AG300HにOpenWRTをインストールし、tftpdを走らせ、LAN内からPXEブートが可能にする(TP-LinkのミニサーバーにルータのSambaシェアをマウントさせ、そこでtftpd走らせたほうが楽?AG-300HにOpenWRTを入れるとメディアサーバの設定や簡易NAS設定も自力でしなくてはならなくなる)
- Mouse PCにもLubuntuをインストールするか?(ネットブックはLubuntu主体になるのでその設定のテストになる)
- ネットブックのLubuntuをアップデート。その前にパーティションサイズを大きく。
なお、父のファイルについてはBox.comに同期させることでバックアップを取る。
先は長いな…。