特定の供給元に依存しない電子書籍管理

電子書籍には今まで全く手を出してないが,そろそろ時期かなと考えている。有料の電子書籍には複数の供給元があり一長一短があるようだ。特定の供給元,例えばAmazonのKindleで全て必要な電子書籍を入手することにすればそれはそれで1つの簡潔な解なのだろうが,もしこれからどっぷり電子書籍の世界に浸かるのであれば現実的ではなかろう。そこで,特定の供給元に依存せずに電子書籍を入手し管理するにはどうしたらよいか考えてみた。

そういった用途にはCalibreが定番のようだ。Windows, Mac OS, LinuxのOS上で動作。各種フォーマット間の変換もサポートし,AmazonのDRMもプラグインで除くことができる。Calibre自身がWebサーバー機能(Calibreコンテント・サーバー)を持ち,ブラウザさえ動作すれば各種デバイスからライブラリを参照し読書できる。オフライン閲覧もサポート。ただし,別稿に改めるように,しおりをつけたり,自分のメモを付けたりする機能は全くない

自宅のデスクトップPC上でCalibreを使って自分の電子辞書ライブラリを管理し,モバイルデバイスには自宅でCalibreを利用して必要な電子書籍をダウンロードする,という単純なユース・ケースではCalibre単独で目的が達成できる。モバイルデバイス上で電子書籍を閲覧するには各種の電子書籍リーダー・アプリが使える。

Calibreを利用してモバイル・デバイスに必要な電子書籍をダウンロードには以下の方法が用意されている

  1. PCにUSB接続した際,自らのストレージをディスクとしてマウントできるタイプのデバイスであれば,あらかじめ指定したフォルダにダウンロード。デバイスを接続したPC上のCalibreで操作。
  2. デバイス上で走らせたWebブラウザーでコンテント・サーバーが提供するWebインタフェースを利用。最低限コンテント・サーバーが走っている必要あり。
  3. デバイス上でコンパニオン・アプリを利用(AndroidであればCalibre Companion)。内部的には2.と同じ?
  4. クラウド上に置いたライブラリデータをアプリで直接閲覧しダウンロード。PC上でCalibreがコンテント・サーバーをはじめ走っている必要はない。

4. がデータベースへのアクセスという観点からは特異な形態。リード・オンリーのアクセスしか発生しない,という前提か,ライトがかぶって発生して結果正確でない結果になっても大きな問題ではない,という前提を置いているのだろう(というか,ライトの必要がそもそもない?)。事前にPC上のCalibreでライブラリ情報(電子書籍本体を含め)をクラウド上に保存するようにして置かなければならない。前述のCalibre Companionはこういった使い方にも対処している。Calibre Cloud Proによればこれができるための事前準備は以下の通り:

To move your library to Dropbox, Box, or Google Drive just open Calibre, select “Switch/create Library” from the menu, Select an empty folder in your Dropbox, Box, or Google Drive folder, and choose the “Move current library to new location” option. Please wait until the library is fully synchronized with Dropbox before attempting to use with Calibre Cloud.

Calibre SyncCalibreBoxも同様に動作する(かつ無料)。Wikipediaの “Calibre (software)” の項の中の “Associated Appsにより詳しくまとめている。

4.が可能であれば,簡単に自分のライブラリをインターネットのどこからでもアクセスできるようにできる。仮に電子書籍のデータ形式の変換などのためCalibreを使うことが決定事項だとすると,これが一番簡単な解になるだろう。もっとも,Calibreの内部データベース形式に依存しているところはどうしても「気持ち悪く」感じてしまう。

この気持ち悪さを除くにはどうしたらいいか。Open Publication Distribution System (OPDS)というオープンな標準ファイル形式がある。大雑把には,ポッドキャストのフィードの図書版,と考えればよいだろう。これに対応したAndroidアプリはいくつかある。これを軸にシステムを構築できないだろうか。

実は,Calibreコンテント・サーバー自身がOPDS形式のファイルを吐くことは可能。が,Calibreそのものが大きなシステムであるため,非力なサーバーでは走らせられない。なので,ライトウェイトのOPDSサーバを別途用意する意義がある。

所有する電子辞書のインデキシングをする必要があるが,それを自前でやるもの,Calibreのデータベースに依存するもの,の2種があるよう。後者で有名であるようなのがCOPS (Calibre OPDS (and HTML) PHP ServerPirateBoxというOpenWrtの派生ファームにCOPSを導入する方法)。

しかし結局のところ,個人で所有する電子辞書を管理するのに,そこまでやる意味があるかというと疑わしい。基本PC上のCalibreで管理し, モバイル・デバイスへのダウンロードには上記4.の方法に対応したアプリを利用するのが一番簡単なように思われる。しかし,これだけでは自分のメモをつけ,それがデバイス間で同期される,ということは実現できない。自分の想定する使い方ではこれは必須機能なので,このやり方では目的が達成されないことになる。

ところで,電子書籍ライブラリ・サーバーの機能は,画像・音楽・動画のメディア・サーバーの機能と非常に似通っている。実際,UPnP AV/DLNAサーバーとして有名なKodiを電子書籍に対応させるためのアドオンが存在する。

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