画面共有を利用したオンラインプレゼンテーション

商売柄オンラインプレゼンテーションをする機会が多い。今までは以下のような「分業」体制でやってきた:

  • 音声通話と文字チャット – VoIPアプリ(Skype等)。英語発音のしかたを教えるため,こちらのビデオを見せることもあり。
  • オンラインプレゼンテーション – Zoho Showによるリモートプレゼンテーション。プレゼンする側も見る側もブラウザ使用。

うまくいくときはこれで全く問題ない。が,いわば2種類別々のセットアップが必要なわけで,これが簡素化できないか検討してみた。

今どきのVoIPアプリは通常ビデオ通話もサポートしている。なので,プレゼン画面を画面共有機能を使って見せてしまうのはどうかと考えた。VoIPアプリそのものが画面共有機能を持っていることもあるし,そうでない場合も仮想カムアプリを併用すればよい。

特に,Lineは日本では事実上の標準インスタント・メッセージング・サービスといっていい立場を確立しており,大半の人が既にスマホでLineを使える状態になっている。Lineで全て済ませられれば,オンラインプレゼンを受ける人の側には大きなメリットがあるだろう。

画面共有でスライドを見せるのなら,視聴者側の手間を減らせる効果も見込める。Zoho Showのリモートプレゼンテーションでは,プレゼンする側がそれ用に取得したURLを視聴者に与え,視聴者がそれをブラウザで開くことでスライドを見ることができるようになる。プレゼンする際,使用するスライド・デックが1つのときはこのステップは最初の1回だけでよいが,複数のスライド・デックを使用する際は見せるデックを替えるごとにこのステップを繰り返す必要があり,視聴者側には負担になる。もちろん「全部入り」のスライド・デック1つを用意してプレゼンに臨むのが理想的ではあるが,いろんな機会で使用することが前提になっているものなどは,管理の観点から内容別に分けていることが多い。Zoho ShowはWebアプリなので,デック内のスライド数が増えるとパフォーマンスに影響が出る可能性もある。画面共有を使用してスライドを見せるなら,プレゼン側ではスライド・デック切り替えの際にはやはり手間が発生するが,視聴者側には発生しない,というメリットがある。

そう考えながらいくつかテストをしてみたが,結論から言うと,Lineの画面共有を利用したオンラインプレゼン視聴には,モバイル版クライアントの利用を前提とするなら,問題がある。というのは,視聴者側では,スライドを表示する役目を担う相手(プレゼンター)側の動画が,視聴者側のビデオで隠されてしまうことがあるから。これは視聴者側でビデオを切っても変わらない(図1)。このようなことが起こってしまう作りになっているのは,動画はそもそも相手側の顔などが映ることが想定されているので,端が切れるなどしても問題ない,という判断がなされているからだろう。

モバイル版Lineクライアントでは,双方のビデオを並列表示するスプリットスクリーン表示も可能(図2)。これならビデオ画面の重なりは回避できるが,スライドがますます小さく表示されてしまう。スライドはそもそも大きい文字を使用して作成してあるとはいえ,スマホ画面の半分以下で全体を表示するとなると,読めなくはなくても,快適に視聴できるかというと疑問が残る。

一方,Windowsデスクトップ版Lineクライアントでは,ウィンドウを十分横に広げることでビデオ画面の重なりを回避できる(図3)。これなら実用に耐えうると思うが,PC版クライアントの使用を要求するのならありがたみが薄れる。

まず,Line使用者の多くがスマホのみで使用していて,PC版クライアントは使用していない。次に,Lineは携帯番号と強く結びついたアカウント管理をしている(Facebookのアカウントと結びつけている場合もあるが,こちらは一般的ではないだろう)ので,「PC版クライアントをダウンロード,インストールして,ログイン名とパスワードでログイン」…というわけには行かない。スマホ版クライアントによる認証を要求されたりするので,PC版クライアントの使用は一般人には敷居が高い。

タブレット上でLineクライアントの挙動はチェックしていないが,画面構成についてはスマホ版に準ずると想像される。全体の画面が大きい分,スライド表示の問題は軽減されると予想されるが,解消するとは言い切れない。加えて,アカウント管理についてはデスクトップ版と同じ問題が発生するだろう。

画面表示だけに限れば,Lineクライアントでは,自分のビデオ画面と相手のビデオ画面を,それぞれ別にサイズ変更したりできるような作りになっていないのが,オンラインプレゼン目的にはイマイチである本質的な理由であるといえる。

これは他の多くのVoIPサービスのクライアントにも当てはまる。例えば,Whereby (旧appear.in)は,ブラウザで完結するVoIPサービスで,通話に参加する側はアカウント作成等の必要なく,単に与えられたURLをブラウザで開くだけの簡便さがウリ。何らかの理由でSkypeに支障がある場合に代替手段として私も使ったりしているが,これも画面構成が全く替えられない。仮に,画面構成に自由度のあるクライアントを提供しているVoIPサービスがあったとしても,オンラインプレゼン参加希望者に,新たにアカウントを取得してクライアントアプリをインストールすることを要求するのはハードルが高すぎるだろう。

結局のところ,現行の2段構えのやり方は,一見冗長に見えて,何気に合理的なのかもしれない。通話とスライド表示が分離しているため,スマホでLine通話を行い,オンラインプレゼンテーションを見るのにタブレット使用する,という合わせ技も可能だ。これならば,参加者はスマホ以外に新規にLineクライントをインストールして使えるようにする必要は生じないし,通話に長けているスマホを通話に利用するのは理にかなっている。

ただし,バックアップ手段として画面共有を使ってスライドを見せられる準備をしておくことは意味があろう。Zoho Showのリモートプレゼンテーションは必ずしも安定して動作すると言えない。理由ははっきりわからないが,何かしらのインターネット接続上の問題なのだろう。自分の側は光ファイバーを利用したインターネット接続サービスを利用しているので,こちら側にインターネット接続の問題はめったに発生しないが,視聴者側には起こりうる。それでZoho ShowのリモートプレゼンテーションがうまくいかなくてもVoIPは使えたりする。そういった場合に,急場しのぎの策として画面共有は有意義だろう。

もっともLineの場合,PC版クライアントから画面共有した場合,デスクトップ全体が相手に見えてしまうので,使い勝手が悪い。しかも,公式な文書が見当たらず未確認情報だが,1対1の通話でしか使えないとのこと(参考: “LINEのPC版で画面共有!! | 華麗なる物理部,” “LINEで画面共有する方法まとめ【iPhone/Android/PC】 | アプリオ“)。いずれにせよ,ブラウザの特定タブ/ウィンドウだけを共有することのできる仮想カムアプリの併用が必須になるだろう。

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