楽天ひかりを9月末で解約した。後釜としてBigbloe eo光の申込みはしてあり,宅内調査等は済んでいるが,具体的に工事がいつになるかについてはいまだに連絡がない。その間のつなぎとして,ドコモの固定回線置き換え用ホームルータHome 5G HR01を使用している。
HR01には有線LAN口が一つしかないこともあり,LAN構成を見直す必要がある。ついでに,他のルータについても可能なものについてはファームウェアのアップグレードも行う。
手持ちのネットワーク機器
考える上でまず手持ちのネットワーク機器をリストアップ。
Wifiクライアント機器
- OPPO R17 Neoをずるずる使っているが,Oppoの公式スペック表にも,本機を日本で専売したUQのスペック表にも,wifiについては “a/b/g/n/ac” としか書いていない(マニュアルに至ってはwifiに関する “11” の文字列すら見当たらない)。何も言及がないところを見るとMIMOにも対応していなのだろう。
- HUAWEI P30 lite( “携帯契約の更新のお手伝い~OCNでP30 Lite” )についても “Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac” の記載があるのみ。
- Xiaomi Redmi Note 10 Pro( “Xiaomi Redmi Note 10 Pro” )にいたっては “2.4GHz/5GHz Wi-Fi” との記載のみ。 “価格.com – 『WiFi MIMOは?』 Xiaomi Redmi Note 10 Pro SIMフリー のクチコミ掲示板” なんかをみると 11ac でMIMO非対応の模様。
- 実際には有線接続するのであろうが,ストリーミングメディアプレーヤーAmigo 7xJP( “Android TV準拠ストリーミング・メディア・プレーヤAmigo 7xJP” )は “IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠 2.4GHzデュアルバンド対応” 。
結局現状11ac (Wi-Fi 5) 止まりで11ax (Wi-Fi 6) 機器はない。さらにMIMO機能がせっかくルータ/ブリッジ側にあっても活用できない。
デスクトップPCは手堅く有線接続するとして,ノートPCは同居人所有のが1台,自分が友人に譲り受けたのが1台,どちらもNECのLaVieブランドのもの。
- PC-PM550NAR-E3(自分用写真アルバム)ー 11ac対応で最大1.73Gbps (11ac/160MHz幅/2×2接続時),つまりMU-MIMO対応,ただし下りのみ。Wi-Fi Direct (Miracast)対応。
- PC-LZ750SSB (自分用写真アルバム)ー 111ac対応で最大867Mbps。MIMO非対応。インテル® WiDiに対応しているのは覚えておきたい( “Buffalo WLI-UC-G300HPをWindows 7 64bitで動かす” )。
前者が唯一MU-MIMO対応で以下のHome 5Gのポテンシャルを活かしきれる。
その他wifi接続のIoT機器がいくつかあるが,これらは全て2.4GHzの11nにしか対応しない。こうやって列挙してみると知らないうちにいろいろ溜め込んでることに驚く。
- プリンタ ー Brotherのwifiプリンタ,Wifiテプラ
- ESP32ボード ー “TTGo T-Display ディスプレーつきESP32開発ボード,” “ESP32搭載TTGo T-Displayからセンサー値をMQTTブローカに投げる“
- スマートプラグの類
- Tuyaのもの ー “TuyaがOEM提供する日本向けスマートプラグ,” “電力計機能付きスマートプラグ” など。スマートランプもある。
- Sonoffのもの ー “Sonoff Micro USBスマートアダプタ” など。
- Sinilinkのもの ー “Sinilink Wifi USBリモートコントローラ“
ルータ(ブリッジ運用予定のものも含む)
- Home 5G HR01 マニュアルによると。
IEEE802.11a:最大54Mbps
IEEE802.11b:最大11Mbps
IEEE802.11g:最大54Mbps
IEEE802.11n(Wi-Fi 4):最大300Mbps(2.4GHz帯、5GHz帯)
IEEE802.11ac(Wi-Fi 5):最大867Mbps
IEEE802.11ax(Wi-Fi 6):最大573Mbps(2.4GHz帯)、最大1201Mbps(5GHz帯)
2x2MIMO - Aterm WG1200HS4(NE)は楽天ひかりに加入した際無償提供を受けた。a/b/g/n/ac 2.4GHz帯と5GHz帯それぞれ別個に2ストリーム。ブリッジモードはある(筐体背面のRT/BR/CNVモード切替スイッチをBR側に切り替え)が,ブリッジモードでLAN口3つに加えてWAN口1つ
も使えるかは未確認⇦ 合計4口とも使える。 - Aterm WG1200HSはフレッツ光契約で貯まったポイントの消化で入手した。 a/b/g/n/ac 2.4GHz帯と5GHz帯合わせて2ストリーム。ブリッジモードはある(し実際そういう運用をしてきた ー 背面のRT/BRモード切替スイッチをBR側に切り替え)だが,ブリッジモードでLAN口3つに加えてWAN口1つも
使えるかは未確認⇦ 合計4口とも使える。 -
バッファローWZR-HP-AG300H(今までの関連記事)a/b/g/n このグループで最古参で11ac (Wi-Fi 5) にすら対応していない。ファームウェアはOpenWrtに置き換えてあり(最近アップデートをさぼってるが),ブリッジ運用は可でWAN/LAN口の合計5口が使える。
上記は全て有線はギガ対応で,いわばLAN構成の主役を担う。ちゃんと調べたことなかったが11axに対応しているのはHome 5Gのみだった。もっともそれの恩恵に預かれるクライアント機器はないのだが。
以下は有線ギガ対応ではないもの。
- Nexx WT3020Fは併用していたmicroSDカードが壊れて以来使用していないが,Openwrtの最新版の21.02.0もサポートされているので,これにアップデートして再度使えるようにしたい。
- TP-Link社のポータブル・ルータTL-WR703Nは今までいろんなお遊びに使ってきたが,フラッシュ4MB,RAM 32MBの機種はOpenWrtでは正式にはサポートされなくなっているので, “TP-Link TL-WR703NのOpenWrtアップデート手順” にまとめたように,極力アップデートするにもかなり手間がかかりそう。
新LAN構成
- 2F: Home 5Gの唯一の有線口とAterm WG1200HSを有線で繋ぐ。WG1200HSはブリッジモードにし,wifi機能を無効化する。
- 1F: 2FのWG1200HSと1FのAterm WG1200HS4(NE)を有線で繋ぐ。WG1200HS4もブリッジモードに。Wifi機能は切らず有効利用する( “Wifiローミングに関する誤解,” “LAN内アクセスポイントのSSID統一とそれらのファームウェアの更新” )。ブリッジモードの設定で少し手間取った。
- 1F: 上とは別のルートで2FのWG1200HSと1Fの玄関のIPカメラを有線で接続する。
現在既にこの状態になっており,現在の基本的ニーズはほぼ満たされている。そうしておいて以下を行う:
- WZR-HP-AG300Hに最新版OpenWrtをインストール。その上で場合によってはAterm WG1200HSをそれで置き換える。WZR-HP-AG300Hはwifiは11nまでしか対応していなくても,有線はギガ対応なのでまだ有用(ただし,Aterm WG1200HSのときと比較して有線のスループットが落ちることがないか要確認)。
- Nexx WT3020FにもOpenwrtの最新版をインストール。以前のように2Fのブリッジと1F玄関のIPカメラを有線で繋ぐのに使い,かつ風呂場,洗面場等にwifiを提供する(右写真)。
現在Aterm WG1200HSは有線ブリッジとしてだけ使っており,wifi機能は使用していないので,その意味だけにおいてはWZR-HP-AG300Hに置き換えるメリットはない。ただし,OpenWrtでいろいろなことをさせたり,wifi機能に関してより高性能なAterm WG1200HSを余らせることでそれを他のところで利用できるメリットが生まれる。
Nexx WT3020Fが5GHz帯に対応していないので,それに対応していてブリッジ運用が可能な代替小型Wifiルータを調べたこともあるが,担当エリアはともかくwifi接続できれば十分なので新たに別のAPを購入したりはせず引き続きNexx WT3020Fに担当させる。
WZR-HP-AG300HにしろNexx WT3020FにしろOpenWrtをインストールして何をするかについては後述。ちなみに,AtermブランドのルータでOpenWrtでサポートされているものもあるので,近い将来Aterm WG1200HS4(NE)やAterm WG1200HSもサポートされるかも。
Biglobe eo光に鞍替え後
少し先の話として,後日Biglobe eo光サービスに鞍替えした際には,eo光多機能ルーターのレンタルを受けることになる。有線のみなら無料で,wifi機能もつけると105円/月の費用が発生する。LAN口は4つあるので同じ場所に別途ブリッジを用意する必要はない。設置場所はただ寝るだけの部屋なので,スピードは遅くてもwifiが使えれば十分。
他の場所のアクセスポイントの電波が寝室まで届けばそれでよし,そうでないならそれこそTL-WR703NをAPとして運用してもよかろう。あるいは, “[古記事]玄関やトイレにWifi電波が届くよう、ブリッジ接続でプラネックス製ちびファイMZK-RP150Nを設置” で触れたちびファイMZK-RP150N(特にファーム置き換えで使いでをなくしてしまったし)や,かつてソフトバンクが配っていたFonera SimplことFON2405Eを復活させるのもあり。
Atermのブリッジ設定
今回Aterm WG1200HS4(NE)をブリッジモードにした上で設定するのに少し手間取った。自分で書いた “自宅内LANの整理” にWG1200HSを同様にブリッジモードしたときの設定のしかたについてちゃんと書いていた。先に見直せばよかった…。
WG1200HSをブリッジモードで設定する際、「らくらくスタートボタンを押しながら電源を入れ、2.4GHzランプが赤点滅したら放す」というシーケンスを経ることで、設定専用のモードに入る。通常、ルーターの設定をPCでする際、設定をするPC側でルーターのLAN側IPアドレスと同セグメントのIPアドレスを手動で割り振っておく必要があるが、この設定専用モードではルーターでDHCPサーバーが強制的に起動され、それにより設定をするPCには自動的に同セグメントのIPアドレスが振られるので、若干手間が省けるよう工夫されている。このときルーターのアドレスはhttp://192.168.1.210/だったが、既存LANのセグメントに属するよう変更。
ちなみに,WG1200HS4(NE)の場合は,“CONVERTER”ランプが緑点滅するまで「らくらくスタート」ボタンを押す。
Home 5GのWifi 5GHzのチャンネル
Home 5Gは5GHz帯で接続していると結構切れる。 “Wi-Fiルーターのチャンネル設定をチェック(2)【自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!】 – INTERNET Watch” によればこれは以下の理由による:
- 5GHz帯は、細かく分類すると「W52(5150~5250MHz、36~48ch)」「W53(5250~5350MHz、52~64ch)」「W56(5470~5725MHz、100~140ch))」の3グループに分かれている。
- W53とW56では、気象観測、船舶、航空レーダーと同じチャンネルを使っていて、これらの電波を検知すると強制的にほかのチャンネルへ移動するか出力を調整する「DFS(Dynamic Frequency Selection)」という仕組みが備えられている。
- 上記理由でW52を第一に選択すべし。ただし,「気象レーダーは主にW53の周波数を使っている」のでW56が二番目の候補になる。
設定でW53だけ外すよう設定してみた ⇨ W56でひっかかるせいか5GHz帯の通信がそこそこ頻繁に落ちる。いたしかたなくW52のみに設定。
「Wi-Fiルーターを屋内に設置していると、窓際でもない限りレーダーの電波を受信することは頻繁にはないはず」は残念ながらHome 5Gには当たらない。当たらないどころか真逆で,正にその窓際に設置するのだから。5chの投稿などには,Home 5Gは携帯電波によるデータ通信に徹し,それに有線で繋いだアクセスポイントからwifiを飛ばすべきだと主張する人もいたが,自分はそのような面倒なことはしたくない。
OpenWrtをインストールしてしたいこと
WZR-HP-AG300HにしろNexx WT3020FにしろOpenWrt機があるとさまざまなことが可能になる。実際今までいろいろなことに利用してきた。これらの利用法としてとりあえず今思い当たるのが以下:
- 【必須】玄関のIPカメラのアラームサーバとしての運用。 “OpenWrt BB rc3上のuhttpdのCGIが思うように動作しない” はかつての取り組みの記録。
- MQTTサーバ(「ブローカ」)。現在Android TV準拠ストリーミング・メディア・プレーヤAmigo 7xJPにTermux環境を導入してあり,その上でMQTTブローカを運用している。ただ,最終的にはAmigo 7xJPは人様のお宅に移される予定なので,IoTがらみの情報集約のため自前のMQTTブローカが欲しい。
- AutoSSHを利用するなどして外部からSSHトンネルを介してLAN内のサービスにアクセスできるようにする。IPカメラや,上のMQTTブローカなど。
- DHCPサーバ。Home 5G上のDHCPサーバは停止させる。なぜこれが望ましいかについては “OpenWrt上でのDnsmasqの設定” 。DnsmasqがDHCPサーバであると同時にDNSサーバでもあるので(OpenWrtの Wiki),LAN内の機器をIPアドレスではなく名前でアクセスできるようになる。Multicast DNS (mDNS)で探索することも考えられるが,機器自身がアドバタイズしなくてはならないのでIoT機器も対象なら向いていない。
DNSサーバの応答時間を抑えるための配慮が必要。例えば,機器に設定するDNSサーバとして,Cloudflareの1.1.1.1のようなパブリックで高速なものが利用されるようにして,それが失敗した場合(LANのみのドメイン(.lanなど)では失敗する)このDnsmasqが利用されるようにするのが一つの方法。 “networking – How does Windows decide which DNS Server to use when resolving names? – Server Fault” にWindows 10でPowerShellを用いてこれを実現する方法がある(「最人気」の答えはVistaを前提にしたもので10には当てはまらないようなので注意)。Dnsmasqにはキャッシングの機能もあるので,普通にそれを利用して,単に自分で答えられないときに1.1.1.1に転送するようにするだけでよいかもしれない。1つ目の方法とどちらが速いかはわからない。
インターネット接続のパフォーマンスに影響が出るであろうから,Nexx WT3020FではなくWZR-HP-AG300Hにこの任に当たらせるのが筋か。
⇨ 友人を助けるため暫定的に彼宅でWZR-HP-AG300Hを使う可能性があるのでそちらは温存し,Nexx WT3020FにLAN内のDNS・DHCPサーバをさせることにしたが,DNSの名前解決に失敗することがある。工夫してみたが,うまく行っているかまだわからない。 - Node.jsあるいはさらにNode-RED。簡単にインストールできれば,だが[OpenWrt Wiki] package: nodeを見るとツールチェインもホストデバイスで用意しなければならない?かなり望み薄。
- 実際にはまずやらないとは思うが,Huawei製モバイルルータSpeed Wi-Fi NEXT W05をUSBモデムとして使えるようにする。
- Home Assistantが使えたら理想的だがさすがに荷が重かろう。 Tuyaが公式にサポートしているHome Assistantプラグインがあるのは魅力的だが。DomoticzはOpenWrtもサポートしているが,メモリ256MBが推奨されており,128MBのWZR-HP-AG300Hでも力不足。
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