RevolutとWise(旧TransferWise)

NFC対応だがFeliCa非対応のAndroid端末でGoogle PayのVisaタッチ決済機能が利用できるカードを調べていてRevolutについて知った。Google Payで利用することだけが目的ならRevolutの利点は特にはないように思うが,以下の別の点についてもう少し知りたくなった。

在米の人に送金するのに米Paypalを利用しているのだが,最近SMS認証が厳しくなってちょっと不安に感じている。なので米国内の送金の代替手段を用意しておきたいという気持ちがある。そのときには,最近現地の人によく利用されているというVenmoなんかも見てみたが,Venmoに限らず在米人を対象にしたサービスではPaypalと同様SMS認証の問題でパッとは使えない。必要があれば在米友人の助けを得てそれを突破できるような準備も進めているが,それはあくまで奥の手でとりあえずこれに頼りたくない。

また,その米Paypalアカウントには米銀行から出金する形になっているが,その米銀行への海外送金のために現在手数料がかかっている(正確には送金元の日本の銀行では手数料は無料になっているが,送金先の米銀行側で手数料が発生している)。これをケチれるものならケチりたいという気持ちもある。以前日本で開かれる国際大会の準備に関わっていたときには,大会参加料の受け取りの方法を調べたことがあり,その観点,つまり送る側ではなく受け取る側での海外送金についても興味がある。そのときはTransferWise(現Wise)がよいのではないかと考えた。

さらに別の話として,海外旅行時の外貨の現金調達。 “久しぶりの海外旅行からの雑多な教訓” にも書いたが,2019年のイタリア旅行時には,事前に国内で現金を用意して行き自分が使う分にはそれで十分だったが,他の人のため現金を用立てる必要があり,現地ATMで現金を引き出すことになった。そのときには用意していったCedyna Jiyudaカードを使用した。しかしPrestiaがその当時提供しはじめたGlobal Passカードの方が自分には好条件で、今後はそれを使うことになると考えていた。特に支払いをしたい外貨建ての口座を既にPrestiaで持っている場合,そこから直接落ち,手数料がかからないのがよい。要注意なのが海外ATMオーナー手数料だが,条件を満たせばそれも償還される。Revolutはこの面でもサポートがあるようだ。

つまり,①米米間の国内送金,②海外送金,③外貨の現金調達(国内にしろ現地にしろ)の3点についてRevolutや,それの相当サービスと言われるTransferWiseについて知りたかった。

…と思って下にいろいろ書いたが, “Revolut 外貨への両替 | 海外送金と役立つ情報” がよくまとめてた…。これ読んだほうがいいです…

自分的まとめとしては:RevolutにしろWiseにしろ,海外送金に伴う不明瞭な手数料を排除しようというところから出発して,海外送金以外にも手を広げている。それぞれのサービスにおいて,無料アカウントでも,他のアカウントへの同じ通貨での送金は無料。国内・国外の区別なし。受け取る側としては,受け取った額を同じサービス中で他の用途に利用する(自分自身が他に送金するなど)こともできるし,デビットカードを取得してそれを使用して買い物する,またはそれを使ってATMで出金することができる。ATMでの現金出金には制限があり,ここに関してはRevolutの方がかなり有利。特に米Revolutのサービスでは,日Revolutの25,000円/月まで手数料なし,に比べ,提携ATMでは無制限に無料,非提携ATMでも$1,200/月まで無料なので,格段に有利。Wiseでも米国の方が日本より有利だがRevolutには全く及ばない。

デビットカードにしても,Wiseは物理デビットカードしか用意されず,入手費用はRevolutのそれより高い。Revolutはバーチャルカードが利用できるが有料のプレミアム会員のみ。

Wiseの決定的強みは,アメリカやEU,イギリスを含む世界のいくつかの国のローカルな銀行口座番号が受金用に持てること。これら国からの入金が受ける必要のある場合は,入金者の便宜を図ることになる。彼らにとっては海外送金ではなく国内送金になるので。ただし現地通貨での入金になるだろうから為替の問題は残る。そうはいっても,一旦送金者が自分でもRevolutなりWiseなりのアカウントを作成すればこれは特にメリットではなくなる。つまり,このWiseの強みは,これらエリア在住の不特定の人から入金を受ける必要があるときに特に意味を持つ。

印象としては,Wiseの方は基本,従来の銀行口座から従来の銀行口座への送金が大前提で,それのコストを下げるサービスを提供する,というスタンス。今はWiseアカウント間の送金もサポートしているがそれが比較的新しい機能であるということがその証に思える。

一方Revolutは,送金機能を柱にしつつ銀行業そのものを自前でやろうというスタンス。実際アメリカでは2021年に銀行免許申請をした。EUの多数国では銀行業を既にしている。そのためマルチカレンシーの口座を用意し,それを使って送金機能を提供。Wiseもマルチカレンシーの口座を用意しているが,送金機能の提供のための方便として生まれた感じ。最終的には両者似通った状態だが,そこに至るまでの経路が違う気がする。

同サービスのアカウント間で同通貨の送金が無料なら,為替率と両替のコストが差をつける。為替率は大差ないようだ。手数料については一定額まで無料なRevolutに軍配が上がる。RevolutのFAQには「送金先銀行は、送金に対して手数料を請求する場合があります。資金の移動中に中継銀行を経由することがあり、中継銀行からも手数料が差し引かれる場合があります」という記載がある。ただしこれは「海外送金」と言っているが,銀行口座宛てに送金する場合の話ではないか。一旦国内で換金した上で同一通貨で他のRevolutアカウントに送金するのであれば追加の手数料は発生しないように思うが…。

現時点での結論は以下:

  • 在米人に送金するのであれば,Revolut。特に相手が米Revolut会員になる場合,多くのメリットが享受できるので。
  • 国際会議を開催する,あるいはグローバルに商売を展開する,といった場合は相手の入金のしやすさをとってWise。
  • 自分が海外旅行行った際のATMでの現金引き出しは,さしあたりPrestiaのGlobal Passカード。もしそのときまでにRevoluteユーザになってればそのデビットカードでもよいかも。

ちなみに,カスタマーサービスに連絡するためにRevolutのモバイルアプリをインストールしなくてはならなかったが,どうも電池を猛烈に食う模様。

Revolut

日本国内でRevolutから現金を引き出すにはイオン銀行ATMを使うしかない

日本国内でRevolutから現金を引き出すにはイオン銀行ATMを使うしかない

Revolut – 1つのアプリでお金のすべてを管理
手数料 無料のスタンダードプランの手数料

無料の「スタンダード」と980円/月の「プレミアム」の2種のメンバーシップを用意している。「メタル」は現在日本では提供されていない ⇦ この記事公開の翌日月額1980円の「メタル」プランが提供されるようになった。スタンダードプランでもカードの郵送料に確か500円ほどかかるはずなので,本当に必要なとき(海外旅行時など)にそのときだけプレミアム会員になることを検討してもいいかもしれない。

この後で述べる,商売敵のWiseによる記事, “Revolut(レボリュート):日本上陸!口座開設方法・手数料をかんたん解説 – Wise、 旧TransferWise” では一見Revolutの解説記事風体裁を装いながら,Revolutに対するWiseの優位性を述べ,さりげなくWiseに誘導している。「Revolut以外に、海外送金・外貨管理サービスとして、Wiseを検討してみてもいいかも知れません」という控えめなセールスはその実,実にしたたか。

この記事では,Revolutの欠点として,「海外送金は、受取銀行・中継銀行で手数料が引かれる可能性あり」をあげている。実際,RevolutのFAQには「送金先銀行は、送金に対して手数料を請求する場合があります。資金の移動中に中継銀行を経由することがあり、中継銀行からも手数料が差し引かれる場合があります」という記載がある。「海外送金」と言っているが,受取銀行が出てくる以上,Revolutアカウント間の送金ではなく,海外銀行口座宛の送金が前提なのだろう。また,Revolutの欠点として上げている以上,Wiseにはその問題がないかのような印象を与えるが,それは確認できていない。

現金を引き出すにはどうすればよいですか?” (スナップショット)にあるようにイオン銀行の一部ATMでないと日本国内では現金を引き出せない。海外発行カードが使えることが要件。兵庫県神戸市中央区ですら「海外発行カード利用可能ATM」という制限を満たすものは数えるほどしかない。また,物理Revolutカードが必要になる

しかも「ATMから出金可能なのは、デビットカードでチャージされた金額分のみとなりますのでご注意ください(「クレジット現金化ルール」によりクレジットカードによるチャージ分は不可、Revolut利用規約によりプリペイドカードによるチャージ分は不可となります)」。無料プランでも25,000円/月まで手数料なしに引き出しが可能

ちなみに,米国では “Cash withdrawals are not charged up to $1,200 per month at out of network ATMs, and anything over is charged 2%.” とのこと提携ATMでは無料。サービスが全般的に日本よりはるかに充実している。FDICの保障を受けているというのも大きい。

自分は日本の銀行に米ドル建ての口座を持っているのだが,問い合わせたところをそこから直接米ドルを直接Revolutに入金することはできないとのこと。単に普通口座に置いていたとしても今はろくな金利がつくわけでないし(これからは米ドルについては変わるかもしれないが),Revolutに移せるものなら移そうかと思ったができなさそう。

Wise (旧TransferWise)

Wise、旧TransferWiseはwebサイトのタグで「オンライン海外送金 | 国際的な銀行機能」としているだけあり,海外送金がサービスの中核で,それに国際的な銀行機能を追加した印象。国内送金は眼中にないもよう。年会費無料。

特に送金を受ける側に立った場合,数は多くはないものの現地銀行口座を取得することができ(ユーロも含む),それが利用できる送金者には喜ばれるだろう。年会費無料なので,この恩恵を享受できる人にとっては,Wiseのアカウント作成等の手間は発生するものの金銭的なデメリットはない。

デビットカード発行手数料は1,200円。維持費無料。200カ国以上でデビットカードを利用可。毎月2回、3万円までの海外ATMでの引き出しが無料。3万円以上の引き出しには1.75%の手数料がかかり、2回目以降は1回につき70円の手数料がかかる。米で受け取る場合は,First 2 ATM withdrawals up to $100 / monthが無料,それ以上は2%の手数料,さらに2回目以降は$1.5/回。日本の方が条件いいとは。

おまけ: Kyash

KyashはRevolutを説明する際比較される( “日本上陸直前、話題の「Revolut」の最新事情を聞く【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch” )のでかつて少し調べてみた

海外送金比較

Revolutのサイトに例として出ていた,手数料込みで100,000円を米銀行口座宛てに送金した場合,相手が米ドルでいくら受け取れるかをWiseのサイトでもやってみた。Revolutだと$866.71,Wiseだと$861.24。着金タイミングはRevolutは「明日中」としいるが,Wiseでは3日後まで,としている。時差の問題もあるし,この比較をやったのが日本時間で早朝1時過ぎなのでこの「日」がどう定義されているのかにもよるが,Revolutの方が若干早く着金するのか。

 

ちなみに今Prestiaから米銀行宛に送金している。Wiseの比較表では手数料が3,500円となっているが,これは送金元だけの手数料のことなのだろう。自分はたまたまこの料金が今無料なので,その分が着金額に回るとすると,着金額はWiseより若干増えるがRevolutにはまだ若干及ばない。ちなみに受け取る米銀行側で現在$16の手数料を取られている(送金額によって違うのだろうが)。

RevolutとWise(旧TransferWise)」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: NFC対応だがFeliCa非対応のAndroid端末でGoogle Pay | あくまで暫定措置としてのブログ
  2. ピンバック: Kyash | あくまで暫定措置としてのブログ
  3. ピンバック: 磁気ストライプつきカードの除去 | あくまで暫定措置としてのブログ

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