Kyash

Revolutについて調べる際,Kyashがその説明でよく比較対象になる( “日本上陸直前、話題の「Revolut」の最新事情を聞く【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch” )のでKyashについても少し調べた。

この後に書くことを自分なりにまとめるならKyashとは

  • 審査なしで作成が至極簡便なVisaプリペイドカードがベース。
  • + モバイルアプリでの細かい履歴情報・カテゴリ別総額,無料アカウント間送金,共同管理アカウント,使用上限設定。
  • + 「イマすぐ入金」で事実上の有料短期ローン。
  • + 本人確認することでVisaタッチ決済,Apple Pay/Google Payが利用でき,ポイント還元もあるKyash Card。

ウィキペディアによれば,「登録はメールアドレスとパスワード、SMS認証、またはFacebookアカウントによって行い、与信審査などは行われない。KyashはプリペイドVISAカードではあるが、クレジットカードやデビットカード情報を登録しておくと、残高0でも不足分を自動チャージ出来るため、手動でチャージすることなく使用できる。チャージした残高は再び現金に戻すことは出来ない」。そのプリペイドカードであるという立て付けにも関わらず,イマすぐ入金という機能でクレジットカードのように後払いできる。当然1回500円からの有料になるが,与信審査はやはり必要ないのが特徴。

Kyashはバーチャルなのも含め3種類のカードを用意している。全てQUICPayカードとしてApple Pay及びGoogle Payでの利用可。

  • Kyash Cardは還元率1%で発行料900円,ICカードでVisaタッチ決済に対応,海外利用も可,本人確認が必須。
  • Kyash Card Liteは還元率0.5%で発行料300円,本人確認は必須ではない,海外利用も可(ただしオンライン決済のみ)。
  • Kyash Card Virtualは還元率0.5%で発行料無料,本人確認は必須ではない,国内・海外利用ともオンライン決済のみ。

Kyash Cardの「本人確認」の具体的内容としては運転免許証やマイナンバーカードによるものが想像されるがそれだけではない。自分のアカウントに単に銀行口座を登録するだけで,「本人確認未完了アカウント」から「本人確認アカウント」にステータスが変わり,Kyash Cardを発行する際特に本人確認書類のアップロードなどは必要なくなる

Kyash Cardの還元率1%なのはKyashマネー(後述)での決済のみにつき12万円まで。Kyashバリューでの決済は、5万円までが0.2% 。それ以降の決済はポイントが付かない。Kyash Card Lite, Kyash Card Virtualについても同様の制限あり。

残高の種類は,決済のみに使える「Kyashバリュー」と送金・出金にも使える「Kyashマネー」の2種に分けて管理される。本人確認を行なっていない場合は,全てKyashバリュー扱い。Kyashマネーの銀行口座への出金には毎回220円の手数料がかかる

現金の出金についてはセブン銀行ATMから,アプリのみで(物理カードなしで)出金できるが1回につき手数料が220円かかるアカウント残額が一定額を下回ると事前に登録した銀行口座から自動で入金するよう設定できるので,手数料を厭わなければ,かつ,セブン銀行ATMに限るという制限が許容できるのであれば,キャッシュカード的な使い方も可能。

ちなみに,Kyash CardはGoogle PayでのVisaタッチ決済には対応しておらず,そのためNFC対応だがFeliCa非対応のAndroid端末であるXiaomi Redmi Note 10 Proでは使えない。FeliCa対応端末であればQUICPayカードとしてGoogle Payで利用できる

NFC対応だがFeliCa非対応のAndroid端末でGoogle Pay

近々自分のメインのスマホをXiaomi Redmi Note 10 Proに交換予定。これには,NFC的にはType-Fの扱いのおサイフケータイ(FeliCa)には非対応だが,NFCのType-A/Bには対応しており,Google Payを介してVisaのタッチ決済英語では “Visa Contactless,” 旧名 “payWave” )には対応している。 “Redmi Note 10 Proでおサイフケータイを使いたい人必見!Google Pay対応のVisaタッチ決済導入法” に説明がある(PayPay銀行云々は全て読み飛ばしてよい)。かつて楽天モバイル(MNO)加入時におすすめしたOppo A5 2020もFeliCa非対応だがNFC対応

Google Payから利用できるVisaタッチ決済対応カード

Visaのタッチ決済 ご利用方法  利用可能なお店 | Visa” によれば現時点でGoogle Payから利用できるVisaタッチ決済対応カードは以下。残念ながら手持ちのものは1枚もない。

ウィキペディアにあるリストの方が網羅的でわかりよい。これによれば日本で発行されているクレジットカードでカード自身がVisaタッチ決済に対応しているものは多くあるものの,Apple Payに対応するのは一部で,Google Payに対応しているものは一切ない三井住友 (SMBC) のVisaクレジットカードが2022年3月からGoogle PayのVisaタッチ決済に対応するそうで,私が知る限りこれが日本でGoogle Payでのタッチ決済に対応する初めてのクレジットカードになる。楽天カードは本体でVisaタッチ決済に対応しておりApple Payにも対応しているが,Google Payには対応していない。Google Payに対応するのは一部デビットカードとプリペイドカードのみ。

デビットカードかプリペイドカードか,となるとポイント還元などは期待できないように思われたが,三井住友Visaプリペだと,「ご利用金額の0.25%,Vポイント付与対象の三井住友カードでチャージするとさらに0.25%のVポイントを還元」。Visa LINE Payプリペイドカードは現在終了時期未定のキャンペーンで3ヶ月後に1%の還元チャージ方法は複数用意されているが,オートチャージが手間がかからないかも。これが1つの無難な解か。物理的カードが発行されないことも人によっては利点に数えるだろう。

尖ったところではRevolut。ポイント還元のようなものはなさそうだが, “次世代金融アプリ「Revolut」日本上陸。送金・決済・貯金など集約 – Impress Watch” なんかを見るとそもそも狙ってるところが違う。Google Payの話とは別に海外送金は気になるトピックでもあるし,別途調べることにする。

Visaタッチ決済が利用できるコンビニチェーン

Visaタッチ決済が利用できるコンビニチェーンは以下。現時点では積極的にキャッシュレス決済をしたいわけではなく,あくまで非常時のバックアップ手段という位置づけなので,コンビニがカバーされていることが重要。セブン・イレブン,ローソン,ファミマが含まれているのでメジャーなところは押さえられていると考えてよさそう。

ポイントカード

Google Payアプリはポイントカードデータの管理もその機能の一つに数えている。アプリは多くのポイントカードに対応しているような表示をする。物理カードが多数あると持ち運びにかさばるし,便利なように思える。しかし結局のところ会員番号などを記憶しバーコード表示するだけなので,ウィキペディアが指摘するように,「店舗によっては、このウォレット式のバーチャルポイントカードの利用を認めず、物理的ポイントカードもしくは店舗専用アプリ上のバーチャルポイントカードの提示を求める場合もある」ということを理解しなくてはならない。

ただし,以下については公式にGoogle Payで使えると理解してよかろう(同じウィキペディア記事より)。ポイントカードの「登録」はポイントカードの番号を単にバーコードで読み取るだけであるが,dポイントカードとTカードについては,紐付けられたアカウントでのログインを求められるので,逆にちゃんとサポートされていることが期待できる。

以下のサービスは、Google Payへの対応が、プレスリリースとして発信されているもの、またはホームページに記載されているものである。

その他

Google Payによる個人間送金は「米国、インド、シンガポール」のみ

ちなみに,マイナンバーカードはType-Bを採用しているので,Redmi Note 10 Proでも読み取れるはず。少し意外…と思ったら,実は “確定申告の電子申告 (e-Tax) のためのICカードリーダ” を書いたときにもそのことを知ったはずだった。きれいに忘れてた。