“Facebookの「ライブ」機能を使ってビデオをリアルタイム配信” の延長。
同じイベントで複数のビデオをライブ配信する際,ビデオそのものに文字を被せられるのが望ましい。複数なので,見てる側がパッと区別できるように,だ。もちろん,例えばFacebook Liveで配信するのであれば,ビデオに説明文章をつけることはでき,それである程度目的は達成される。それでも,やはりビデオそのものに入っているのが望ましい。
ただ,これの実現は簡単ではない。Facebook Liveの場合であれば,Facebookのサーバーにビデオデータが送られる前に,スマホ内で文字をオーバーレイで加える必要がある。少なくともFacebookアプリそのものにはその機能はない。
“Setting up Custom RTMP for Facebook Live | XSplit サポート” を見ると,Facebook Liveでビデオ配信する際,スマホから直接流すのではなく,RTMPのURLを指定してそれを配信させることもできるようだ(というか,スマホから直接流す際でも,内部的にはFacebookアプリがRTMPストリームを生成してそれをFacebook側のサーバーに流しているのであろう)。ということは,Android端末を使ってビデオのライブ配信するにしても,Facebookアプリで直接やるのではなく,RTMPストリームを生成するアプリを介して行えば,Facebookアプリで直接やるときにはできないような芸当もできそうだ。
…という見地から調べてみると,以下のようなめぼしいAndroidアプリが見つかった。こういったビデオストリームのリアルタイムの改変は,Androidから生データを受け取り,改変自身はPC上でやることはもちろん可能だが,ビデオ1本につきモバイル機器1台内で完結しているのが理想的。一旦機器を設定してライブ配信を開始したら,もう誰かが配信内容を常時チェックすることは人的資産の制限からできない。なので運用上の観点からは非常に大事。
- ManyCam(ウェブサイト)…PC版は古くあって自分もかつて利用していた。それのモバイル版。画像や,保存されている動画,あるいは他のライブ動画を切り替えられるだけでなく,PiP (Picture-in-Picture) 機能があり,そこにそれらの他メディアを含めることができる。これをフルに活用すれば,複数カメラからの動画を適宜切り替えて表示させて,TV番組のように提示することも原理的には可能。
文字データそのものをオーバーレイ表示する機能はないが,表示したテキストを含む画像を用意しておいて,それをPiP機能を利用して表示させるようにすれば目的は達成される。Facebook Liveへビデオ配信するのは簡単。一部有料のようなのだが,何が有料なのかがわからないのが不安。
また,Facebookアプリで直接配信するのに比べて,どうも動きの滑らかさが損なわれている気がする(フレームレートが低い)。テコンドーの試合のように被写体の動きが激しいものについては,視聴する人にもわかるくらいのデメリットになるか。 - LiLy Live…新参アプリ?Facebook Liveへのビデオ配信を直接はサポートしていない(RTMPリンクを介してやれば可能なはずだがなにせ手間)。明示的に文字列のオーバーレイ表示が可能。時刻表示もオーバーレイ表示できるようで,地味に有用…と思いきや,どうも自分指定のテキストと時刻テキストは,どちらか一方しか表示できない(がっかり)。ストリームしながら,自前でもデータを保存できるのは安心できてよい。今のところ,広告表示はあっても有料機能はない模様。
- CamStream…Chromecastへのキャストにも対応,画像オーバーレイも可能で,細かい設定のできる「プロ仕様」なアプリ。ただし,Facebook Liveを簡便に行えるようにはなっていない。画像オーバーレイはanimated gifも可ということだから,TV番組でよくやるような少し動きのあるキャプションもできるということ。吐くエラーを見ると内部ではGStreamerを利用していると思われる。
- CameraFi Live(ウェブサイト)…徹底的にプロ仕様でお値段もプロ仕様。機能は非常に充実しており,PiP, 文字オーバーレイだけでなく,BGMを付けることもできる。ただし,アプリから直接Facebook Liveに配信することはできない。なんでもFacebookの規約に反するからとかで,代替方法を示している。
…他にもあるかもしれないが調べるの疲れた。無料でできる範囲でまがりなりにもやりたいことを達成できるものというと,ManyCamが一番の候補か。LiLy LiveがFacebook Liveに直接対応して,安定して動作するのならこれも候補。もちろんこれは手間。
考えてみれば,RTMPストリームを用意するのであればそれを利用してYouTube Liveを同時に行うこともできる。ただし,このリンクを手繰って,YouTube側の設定で事前にライブ配信できるようにしておく必要がある。その変更を行ってもすぐライブ配信できるわけではなく,24時間待たなければならないようなので早めにやる必要あり。
さらに,ストリームをmultiplexする必要があるので,自前で専用のサーバーを立てたりするのでなければ,RestreamとかCastrを利用することになるのだろうか。それなりの費用はどうしてもかかる。→Vimeoの無料お試し期間を利用すればYouTube Live, Facebook Live等複数プラットフォームにビデオの同時配信できる。
…というか,どうせそういうマルチ配信サーバーを利用せず,一つのサービスにしか流さないのであれば,FacebookよりもYouTubeか!特に若い人はFacebookを使ってなくても,YouTubeを視聴することは日常的にやっているはず。