MNO楽天モバイルSIMカードを挿したAuの4GガラホGratinaでデータ通信ができた

Au Gratina KYF39に楽天モバイル（MNO）の無料サポータープログラム用SIMカードを挿す

まとめ：Auの4GガラホGratina KYF39 (サポート，京セラのページ)がSIMロック解除ができたことを確認をするついでに，MNO楽天モバイルSIMカードを挿してAPN設定をしてみたら，驚いたことにデータ通信ができた。残念ながら通話・SMSは不可。テザリングもできたので楽天モバイルのモバイル・ルーターとして4G Gratinaが使える。KYF39なら楽天が自前で持つバンド3もサポート。悪くない話じゃないだろうか。電池持ちは悪いだろうが。

UQ SIMカードを挿すと初期設定を始めようとする

UQ SIMでは問題なし
My AuでのSIMロック解除の手続き後，まずはKYF39にUQのSIMカードを挿してみた。これだけ，つまり，APNの設定もなし，で通話はできたし，APNの設定をすればデータ通信もできた。

ちなみに，UQのSIMカードを入れて立ち上げると初期設定画面が出た。本来Au関係の設定をするもののはずで（Au IDの設定など），UQ SIMを挿しているのにこれが立ち上がるのはちょっと不思議。UQがAuのサブブランドだからだろうか？後で楽天モバイル（MNO）（簡単のため以下「楽モ」）のSIMカードを挿したときにはそうならなかったように思う。

楽モSIMではカード情報更新のためwifi接続が必要
次に楽天モバイル（MNO）の無料サポータープログラム用に配布されたSIMカードを挿して端末を立ち上げてみると，それだけでは，UQモバイルSIMカードのときのようにアンテナピクトは立たない。

端末で，「設定＞その他の設定＞端末情報＞SIMカードの状態」を見てみると，「使用不可」と表示される。「更新」ボタンがあるのでそれを押してみると，「SIMカードの状態の更新を行います。更新完了後端末の再起動を行います。」というメッセージが表示される。「OK」ボタンを押すと，（それまでにwifiがオンになっていなければ）「Wi-Fi接続が必要です。」というメッセージ。

楽モSIMを挿した直後にはSIMカードは使用不可となっている

「更新」ボタンを押してみると現れるメッセージ

Wifiがオンになっていればこのようなメッセージが

指示通りwifiをオンにして再度SIMカード情報の更新を試みると，「更新中」といったメッセージが一瞬表示された後即再起動する。再起動後はアンテナピクトは立つ（条件あり; 後述）。「SIMカードの状態」を見てみると「使用可能」に変わっている。

にしてもどうして楽モSIMのときには，インターネットを介した情報更新が必要なのだろう。何の情報を更新するのだろう？？？全くわからない。 関係あるかどうかわからないが， “【検証】楽天モバイルの海外ローミング「テザリング」制限を突破する | Skyblue” には楽モのグローバルローミングのパートナーOrangeのAPN設定の中にあるxcapについて触れている。XCAPとはXML Configuration Access Protocolのことのようで，動的にAPN情報を取得すること指示している模様。何かそのような仕組みが動いてるのだろうか？

モバイルデータをオンにしないとアンテナピクトが立たない

モバイルデータをオンにするとアンテナピクトが立つ

モバイルデータをオンにしないとアンテナピクトが立たない
ちょっと引っかかったのが，モバイルデータをオンにしないとアンテナピクトが立たないこと。これは携帯電話としては普通の挙動ではないのではないか。

ただ，アンテナピクトが立ったからといって通話やSMSができるようにはなるわけではない。発信しようとすると，接続しようとしている風な感じはあるが，呼び出し音が鳴るわけでもなく，いずれ切れてしまう。

APN設定でデータ通信はできるようになるが通話/SMSはやはり不可
“MNOとしての楽天モバイルが思うように利用できない” にあるようにAPN情報を設定。ims APN含め。そうすると無事データ通信はできるようになった。しかし残念ながら相変わらず通話もSMSもできず。

Reno Aでのスピードテスト結果

Gratina KYF39でのスピードテスト結果

通信スピードは，ほぼ同じ条件でテストした，同じ楽天モバイルMNO SIMカードを挿したOppo Reno Aに比べれば見劣りはするものの，下りで20Mbps程度，上りで10Mbps以上出てるようなら，十分使い物になる。

テザリングも問題なし
Wifiテザリングも問題なし。Bluetoothテザリングも試してみたがこれも問題なし。つまりこれはKYF37を，携帯電話としては利用できなくても，モバイル・ルータとしては利用できることを意味している。

ちなみに，Bluetoothテザリングだと上り・下りとも1Mbpsを切るが，これはモバイルデータ通信で速度制限がかかった状態と似通ってる。なのでそういう状況下でアプリの挙動をテストすることなどには使えるかも。

Wifiテザリングは問題なし

余談: このBluetoothテザリング時のスピードは，UQモバイルの節約モード（最大300kbps)の実効スピードより速い（自宅で平日朝測ってみたら上下とも250kbps程度）。今外出時大半の場合この節約モードで用が足りてる。高速モードに切り替える必要を感じるのは，マップアプリを使用する必要があるときくらいか。Bluetoothテザリングなら電池持ちもいいだろうし，そういう運用法もありか。

Bluetoothテザリングも問題なし

「ブラウザ」アプリはデフォルトではデータ通信に制限がかけられている

「ブラウザ」アプリでテストするときには要注意
インターネット接続をテストするのに，やはりまず「ブラウザ」アプリを使用しようとするのが普通だと思う。ところがこのアプリ，デフォルトでは接続に制限がかけられてしまっている。そこに気づけないと，「あれ？ネットに繋がってないの？」と思ってしまう。実はこれに気づけず結構時間を無駄にした。

KYF39はバンド3もサポート
この実験を行ったのは自宅だが，自宅は楽天モバイルがいうところの「パートナーエリア」，つまりAuローミングをするところなのでうまく行ったのかもしれない，楽天モバイル自身が通信網を持っている「楽天回線エリア」で使えるにはバンド3が使えないといけないから，Gratinaじゃそれはダメか…と思いつつ，念のため調べたら4G対応Gratinaシリーズの既存4モデルのうち，現時点で最新のKYF39のみがバンド3に対応している。2018年にAuは楽天モバイルとともに1800MHz帯使用の認可を受けたので，それ以降の端末にはバンド3対応のものがある，ということか。いずれにせよ，KYF39なら「楽天回線エリア」でも使えそうだ。

モバイルデータ通信のオンオフは「データ使用量」の設定ページで

データ通信のオンオフ

データ通信のオンオフは「データ使用量」の設定ページで行う（右図）。実にわかりづらい。

ポインタ操作
KYF31, KYF34にあったタッチポインターは，KYF37から廃止され，十字キーでポインターを移動させるように変わった。得失があるが全般的には十字キーでのポインター移動の方が扱いやすいのではないだろうか。キーコードDPAD_UP (19), DPAD_DOWN (20), DPAD_LEFT (21), DPAD_RIGHT (22) に直接対応したアプリは少数派だと思われるから。KYF39では，そのような数少ないアプリを操作する際には，ポインター機能をオフにすることも可能。タッチポインターは決して使い良いとは思わなかったが非常にユニークではあったので，それが失われたのは少し惜しい気がする。ちなみに，同じ京セラ製のMARVERA (マーベラ) KYF35ではタッチポインターと十字キーによるポインター操作の2者から好きな方を選択できるらしい。

KYF39はバッテリーケアモードを提供

バッテリーケアモード
KYF39はバッテリーケアモードを用意している（写真）。設定の「エコ・電池」で設定。バッテリを長くもたせる上で非常に有用で，なぜこれが一般スマホでも標準機能になってないのか不思議でならない。

その他

• KYF39ではスクリーンショット撮影のためには，とを同時に1秒以上長く押す。
• KYF39にはそれ以前の4G Gratinaモデルにあったファンクションキーがなくていろいろ不便…。