楽天ひかりのIPv6サポート

楽天モバイル✕楽天ひかりセットで1年無料キャンペーンにほいほい乗っかって,キャペーン終了直前に楽天ひかりに加入(自分用に関連写真を集めたアルバム)。9/1に,それまでのぷらら光から楽天ひかりに事業者変更したはず。

なのにそのときはLAN内機器にIPv6アドレスは振られておらず,接続スピードも遅い。カスタマーサービスサイトの「メンバーステーション」で「『IPv6接続(IPoE)』お申し込み内容確認」が「申し込み中」だかになっていたのが気になったが何か自分の設定が悪いのだと思ってた。

翌日9/2の4:30pm頃右のようなメールが届いた。わかってみると,IPv6オプションは開通日にすぐ有効化されるわけではないらしい。公式FAQでは「開通日から1週間程度」。としている。 “楽天ひかりでIPv6接続できないときに確認すべきこととルーターの設定 | kiritsume.com” によれば同じFAQページでかつては「開通日翌日」となっていたらしい。

今はLAN下のPCなりスマホなりにちゃんとIPv6アドレスが振られ,スピードもU200Mbps, D100Mbpsほど出てる。「『IPv6接続(IPoE)』お申し込み内容確認」も「利用中」になっている。 “【楽天ひかり】自身の回線がIPv6に接続してるか知りたい” によるTest-IPv6.comを利用する確認方法では,確かにIPv6アドレスからアクセスできているものの,IPv4アドレスとして以下の記載に合う状態になってない。

以下のいずれかのIPアドレスが表示されましたら、IPv4 over IPv6で接続されている状態となります。

120.51.xx.yyy
xx  : 41~48のいずれかの値
yyy: 0~255のいずれかの値

実際,みんなのネット回線速度(みんそく)で測定したスピードは以下の通り:

IPv6では1Gbps契約であることを考えると申し分のないスピードが出ているが,IPv4についてはかなり見劣りする。これは,注がつけられているように,IPv4接続については,IPv4 over IPv6ではなくPPPoEで行われているからだ。

深く考えずに今までのPPPoE接続の経験を盲目的に踏襲して,NTT西に貸与されているホームゲートウェーPR-500MI(以下単に “HGW” )自身で接続設定をしていた。それ以外で接続設定するなど全く頭になかった。しかし,この段階でIPv4についてはPPPoE接続をしてしまっていた。楽天ひかりがPPPoEもサポートしていたため,接続自身はできていた。

改めて楽天ひかりから事前に与えられていたピラっとした紙2枚の説明をちゃんと読むと(右写真そのうちの1枚),え,IPoE/IPv4 over IPv6の場合はユーザ名,パスワードの入力不要!?

混乱したが,HGWは楽天仕様のIPv4 over IPv6(つまりクロスパスによるDS-Lite方式)は現時点ではサポートしていないため,単に信号をパススルーするさせ(HGWがダムハブとして振る舞うということ?),HGWのLANポートに繋がれた,楽天ひかりから無償提供されたAterm WG1200HS4(NE)に楽天ひかりサービスに接続させる,というのが期待された使い方のよう。しかも,Aterm WG1200HS4(NE)に自分で変な設定をしていなければ,単にHGWと物理的に繋ぐだけで,楽天ひかりサービスが利用できるという。これが理解できるのに時間がかかった。楽天ひかりが提供した接続図では確かにそういう配線が示されていたのだが,これは「Aterm WG1200HS4(NE)あげるけど,使いたい人はこんなふうにも使えるね」という話なのだと思っていた。そうではなく,基本「こうしないと使えない」という話だった。Aterm WG1200HS4(NE)は決して「おまけ」ではなく,本質的役割を担うものだった

楽天ひかりがIPv4 over IPv6を採用していることはぼんやりと知っていた。以前からNTT西日本から貸与されているホームゲートウェーPR-500MIPR-500MIは最新のファームウェアで,IPv4 over IPv6を実現するDS-Liteをサポートしているはずだが,現時点ではIPv4 over IPv6を提供するサービスプロバイダーとして,いわば定番のtransixしか想定されていない。楽天ひかりはDS-Liteのプロバイダとしてtransixではなく,「新参者」クロスパスを採用しているのが混乱の元だった。 “【楽天ひかり】NTTレンタルルータでもIPv4 over IPv6(DS-Lite)は利用できますか” でPR-500MIがIPoEはサポートしているとしながら,IPv4 over IPv6(DS-Lite方式)については「対応未定」としているのは,transixはサポートしていてもクロスパスはサポートしていないから,ということなのだろう。 “楽天ひかりIPv6で、劇遅環境から脱出できた300Mbps | パソコンサポート事例|パソコン119” に関連情報あり。

その他クロスパスによるIPv4 over IPv6に対応しているルーターは以下があり,特にOpenWrtルーターを使う方法は既にうちで稼働しているものを使うこともできようが,とりあえずは期待されたAterm WG1200HS4(NE)を使う方法で進めてみる。

【楽天ひかり】IPv4 over IPv6(DS-lite)に対応しているルータ一覧を教えてください” に無償贈与されたAterm WG1200HS4(NE)が含まれており(自分用画像集, オンラインマニュアル),はっきり「クロスパスに対応」とされているので,これを使ってDS-Liteを実現してみる。楽天ひかり公式の “【IPv6】NEC製ルータの接続設定方法” を見ると,ファームウェアをアップデートしたら後はHGWのLAN口と,WG1200HS4(NE)のWAN口を繋ぐだけで後は自動設定される,ということになっている。インストールされているファームウェアのバージョンは1.2.0だが,現時点でそれが最新版であるということはわかっているので,特にアップデートは必要なさそうだ。WG1200HS4を手動設定する場合は, “クロスパスモードでインターネットに接続する|Aterm®WG1200HS4 ユーザーズマニュアル” 参照。

Aterm WG1200HS4(NE)のセットアップの手順としては,まずスマホなどからwifi経由でアクセスできるようにし(アクセス手段その1確保),その上でWeb UIでLAN側IPアドレスを変え,LAN内の有線接続のPCからもアクセスできるようにする(アクセス手段その2確保)のが個人的には賢いと思う。具体的な手続きは以下。

  1. qr.aterm.jpに説明のあるAtermらくらくQRスタートアプリをスマホにインストールする。
  2. 製品に添付されたQRコードを読み込み,立ち上げたWG1200HS4(NE)にスマホからwifiで接続できるようにする。
  3. WifiでWG1200HS4(NE)に接続した機器(スマホ等)でクイック設定Web(管理用Web UIのこと)でLAN側のIPアドレスを変更し,LAN内の他のデバイスからアクセスできるようにする(デフォルトは、IPアドレス「192.168.10.1」、ネットマスク「24」=255.255.255.0)。

ここまでやれば,既存ブリッジのLANポートとWG1200HS4(NE)のLANポートをUTPケーブルで繋ぐことで,LAN内のPC等からWG1200HS4(NE)にアクセスできるようになる。管理者パスワードもどこかのタイミングで忘れずに変更しておく。

ただ,この状態でWG1200HS4(NE)は「インターネットに接続できない」というメッセージをクイック設定Webは表示し,ファームウェアをアップデートさせようとしても,サーバーにアクセスできない。しかし,WG1200HS4(NE)にwifi接続したスマホからは自由にインターネット接続できる。どういうことかわからないが(IPv6絡み?)あくまで途中の経過地点ということで深追いしないことにする。

既存wifiネットワーク内でローミングできるよう,SSIDやその暗号化方式を揃える必要があるが,それはWPSを利用した “Wi-Fi設定を変更しないで親機を本商品に入れ替える(Wi-Fi設定引越し)” を利用する…と思ったが,うちのルーター(全てブリッジとして運用)の大半にはOpenWrtが入れてあり,OpenWrtはデフォルトでWPS機能がオフになっているので,大した手間でもなしシコシコ手動でコピーした。

今回HGWで最初にやった楽天ひかりにPPPoEで接続する設定は無効にした上で,そのLAN口(HGWにRJ45ジャックはLAN口しかないが)とAterm WG1200HS4(NE)のWAN口をUTPケーブルで繋いだ(右写真)。その上でそれぞれの機器を再起動するとどうやらIPv4 over IPv6が実現できたようで,みんなのネット回線速度(みんそく)で測定してみると,IPv4の接続スピードは格段に上がっている(下図)。特に,ダウンロードスピードが数倍になってるので,Web上のビデオ再生でも,再生操作をしてから実際に再生が始まるまでの時間が短く感じるし,シーク操作したときに再生が開始されるまでの時間が短くなった気がする。どちらの場合も,体感できるほど差がある,というのが自分にとっても驚き。数値の上で向上は見られても,体感できるほどではないのではないだろうと予想していたから。

Test-IPv6.comを使って振られているIPv4アドレスを見ても,DS-Liteが使用されていると判断できるという値の範囲に収まっている。

さて,これで無事楽天ひかりをフルに利用できる状態になったと思うが,細かい問題が残っている。それはPR-500MIではLAN口を4つ利用できたことに比べ,WG1200HS4(NE)はルーターとして使用する際は3つしか利用できないこと(ブリッジとして使用する際にはWAN口とされている口もLAN口として使用できるのだろうとは思うが)。HGWのLAN口4つは全て埋まっていたのだが,その1つをTP-LinkのWR703Nに繋げていた。WR703Nはいままでいろんな実験に使ってきたが,最近はDHCPによるIPv4アドレスの固定払い出しだけに使っていた。これはとりあえずは他のブリッジに繋げ直した。そもそもその機能は他のOpenWrtルーターに簡単に肩代わりさせられるので,そうやった上で,WR703NはXiaomi Mi Flora MonitorなどIoT機器のゲートウェーなどとしてさらにもう一活躍して欲しいと思っている。同じルータでも,OpenWrtがインストールできかつUSBポートも持っていると,応用範囲がぐっと広がるので,ルータそのものとしては用済みとなっても他の用途に長く楽しめる。

もう1つの問題は,現時点でLAN内のPCからHGWに直接アクセスできない状態になってしまっていること。とはいえ今基本的にHGWの設定をいじる必要はないと思われるが,ひょっとしたら今後ひかり電話関係で何かしたいと思うかもしれない。それはAterm WG1200HS4(NE)のLAN口とHGWのLAN口を繋げば可能になると思うが(…なるのか?自信なし),今前者の空きがないし,特に慌ててHGWをいじる必要もない。やるにしてもHGW自身がクロスパス対応し,それが楽天ひかりに直接接続できるようになってからでよいだろう。そのときには小細工は必要なくなるのだから。

余談: 以下,transixによるDS-Liteについての話。HGWが今後クロスパス対応した際,同じことが行われるかわからないが,おそらくそうだろう。

自分用メモ: “OpenWrt上でのDnsmasqの設定” に相当することしないといけないんでは?

DS-Liteルーターを自前で! シングルボードコンピューター「NanoPi R2S」をOpenWrtで使う【イニシャルB】 – INTERNET Watch

重要な追記(2021年9月): 楽天ひかりのカスタマーセンターに電話してもなかなか人に到達できない。自動音声認識に答えると結局Web上のフォームでコンタクトするよう誘導されるからだ。実際そうやって問い合わせたときの返事の一部が以下(太字は自分)。自動音声認識に対してあえて黙り込むことがキーとは,なんだかなぁ。

また、本メールでは、通常のお電話での対応より時間を要する可能性があるため、お急ぎの場合やご不明な点等ございましたら、以下弊社カスタマーセンターまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。
—————————————-
《楽天ブロードバンドカスタマーセンター》
?電話番号:0120-987-300
?営業時間:9:00~18:00(年中無休)
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お電話でのお問い合わせの際、ガイダンスの音声自動認識により、お客様より何か発話されるとWeb上へ誘導するSMSが送られ、オペレーターに繋がらないため、無言でお待ちくださいませ。

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